大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)3779 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人A弁護人田村政芳の上告趣意は、後記のとおりである。

同第一点について。

所論は、原判決が維持した第一審判決の証拠上の理由にくいちがいがあり、この

ことは最高裁判所の判例に反すると主張するのであるが、原判決が判示しているよ

うに、この判例は旧刑訴法による事件に関するものであつて、判決の証拠説明につ

いて単に証拠の標目を示せば足りるとした現行刑訴法の下における本件に適切では

ない。且つ判示引用の証拠のうち、その内容において判示にそわない部分があると

きは、その部分は採用しなかつたものと解すべきであるとするのは当裁判所の判例

とするところである。(昭和二六年(れ)第二〇〇一号同年一二月二五日第三小法

廷判決、集五巻一三号二六三〇頁)。従つて論旨は理由がない。

同第二点について。

所論は、原判決の法令違反を主張するのであつて、刑訴四〇五条の上告理由にあ

たらない。また原判決が正当に判示しているように、第一審判決挙示の証拠によれ

ば、被告人は反覆累行して米を売買し利益を得ていたというのであるからこの行為

自体によつて被告人が「営業の目的を以て」本件犯行をしたと認定したことは正当

であつてなんら違法はない。

また記録を調べて見ても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて刑訴四〇八条により全裁判官一致の意見をもつて主文のとおり判決する。

昭和二七年一二月二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

- 1 -

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!